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【第3回】海外駐在員の薬事情 – 健康リスクと人事の備え 

マレーシア駐在者の体調管理における一例:「HURIX’s 1000 Cold Fever Capsule Improved」 

はじめに:医療アクセスが限られる地域での「軽い体調不良」への対応

しかし、海外での異なる文化や医療制度の中では、駐在員自身が「市販薬や伝統的な製品で様子を見る」場面も少なくありません。 
本連載「海外駐在員の薬事情 – 健康リスクと人事の備え」では、 企業人事の皆さまが海外勤務者の健康を適切に支援できるよう、 各国で購入可能な市販薬情報をわかりやすくご紹介していきます。 

今回は、マレーシアで処方箋なしで購入可能な製品「HURIX’s 1000 cold fever capsule improved」を取り上げます。特に、働き盛りの社員や帯同家族が現地で体調を崩した際に、 自ら選択し得る製品の一つです。 

今回ご紹介する製品:「HURIX’s 1000 Cold Fever Capsule Improved」 

マレーシア国内のドラッグストアで処方箋なしに入手できる本製品は、漢方由来の成分を複数含むカプセルタイプの市販薬です。 
風邪の諸症状(発熱・喉の痛み・体の熱感など)に対応することを目的に、マレーシアの漢方系医薬品メーカー J.B.M.H Sdn. Bhd. によって製造されています。 

製品概要(一般情報)

項目内容
商品名 HURIX’s 1000 Cold Fever Capsule Improved 
主な用途 風邪に伴う発熱、喉の痛み、頭痛、体の熱感などの緩和 
成分の例 金銀花、連翹、防風、葛根、荊芥などの生薬 
用法・用量 成人:1回3カプセル、1日4回 
小児(7〜12歳):1回1カプセル、1日4回 
服用時の注意 食後に水で服用。十分な水分補給と安静が推奨されています。 
剤型 カプセルタイプ(室温・湿気を避けて保管) 
購入方法 処方箋不要。Watsonsなどの大手ドラッグストアで購入可能。 

漢方薬についての基本的な考え方

海外駐在員の健康管理において、現地で手に入る漢方薬は「セルフケア」の選択肢のひとつとなります。 
ここでは、漢方薬を使用する際に知っておきたい基本的な特徴と注意点をご紹介します。 

漢方薬の特徴 ― 体全体を整えるアプローチ

漢方薬は、体質や症状の特徴(証:しょう)に応じて成分が組み合わされるため、 
西洋医学のように症状に作用するのではなく、体全体のバランスを整えて自然治癒力を高めて根本的な改善を目指すアプローチが特徴とされています。 

そのため、症状の即時緩和を狙うというよりも、 
「体調を崩し始めた際のセルフケア」や「症状の悪化予防」として使われることが多いとされています。 
今回ご紹介する製品も、症状の軽い段階での使用や、早めに対処して悪化を防ぎたい場面で選ばれる傾向があります。 

漢方薬使用時の一般的な注意点 ― 他の製品との併用に留意

漢方薬は複数の生薬成分を組み合わせて作られているため、 
他の漢方製剤(葛根湯など)と同時に使用する場合には、成分の重複や作用の増強に注意が必要です。漢方薬の使用にあたって 不安がある場合は現地の薬剤師または医師に事前相談することが推奨されます。

人事として知っておきたいポイント

駐在員にこうした製品を紹介する際には、以下の点に留意することが重要です: 

  1. 成分や用法の確認を勧める
    製品パッケージに記載された成分名・用法・対象年齢などをよく確認し、自身の体質や既往歴と照らし合わせて使用するよう促してください。 
  2. 他の漢方薬との併用には注意を
    漢方製剤は成分が重複しやすく、生薬の組み合わせによっては作用が増強されるリスクもあります。他の漢方薬と併用する場合は、医師または薬剤師に相談することを推奨します。
  3. 異変があれば使用中止を
    服用後に異常を感じた場合は、服用を中止し、無理をせず医療機関に相談するよう周知しておくことが重要です。

人事担当者のあなたへ ― 健康支援の一歩先へ

海外赴任者は、 

  • 「熱が下がらない」 
  • 「体がだるいのに医療機関に行きづらい」 
    といった状況に陥りがちです。 

特に若手駐在員は、医療アクセスを後回しにしがちで、 拠点長クラスは「自己判断で無理をする」ことがあります。いざ体調を崩してしまっても、現地に長年根ざして生活をしていないから、有益な情報を得ることが難しい・・・といったお悩みは、駐在員からよく聞かれます。 

そのような駐在員に対策の一つとして情報提供をすることは有益です。そのときに、人事部門として特定の製品使用を推奨するのではなくあくまで「選択肢の一つとして紹介する」という立場を守ること、最終的な医療判断や使用についての判断は本人と医療機関によることを伝えることが重要です。

出典・参考文献

  • HURIX’S公式サイト 
  • マレーシア「Watsons」製品ページ 

次回予告:インドや中国での常備薬にも注目!

いかがでしたか? 海外での医薬品に関する情報は、赴任者の健康管理において重要な要素です。 次回は、インド・タイなどで駐在員が日常的に使用している整腸剤や解熱鎮痛剤を取り上げ、健康リスクへの備えとして役立つ市販薬情報をお届けします。 

SaveExpatsは、企業の人事担当者様、そして海外赴任者とそのご家族をサポートするサービスを提供しております。 海外での健康管理や生活に関するご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。  

※免責事項:

  • 情報提供の目的と対象者:本記事は、マレーシアに在住または赴任されている日本人の方々への一般的な情報提供のみを目的として作成されています。 
  • 日本国内未承認の医薬品について:本記事で紹介されている医薬品は、特定の国・地域において承認・市販されているものですが、日本の医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく承認を得ておらず、日本国内では販売されておりません。 したがって、本記事はこれらの医薬品の日本国内での使用や個人輸入等を推奨、斡旋、または広告するものでは一切ありません。 
  • 医学的助言の否定:本記事で提供される情報は、いかなる医学的、診断的、または治療的な助言を構成するものではありません。医師、薬剤師、その他の資格を有する医療専門家による個別の助言に代わるものとして利用されるべきではありません。健康上の問題や医薬品の使用に関する疑問については、必ず医療専門家にご相談ください。 
  • 専門家への相談義務:いかなる医薬品(市販薬を含む)であっても、その使用を検討する前、または使用する前には、ご自身の健康状態、アレルギー歴、現在服用中の他の医薬品との相互作用などを考慮し、必ず現在お住まいの国・地域の医師または薬剤師にご相談の上、その指示に従ってください。 
  • 現地法規の遵守と確認:医薬品に関する規制、承認状況、入手可能性、製品の成分・名称・パッケージ等は、国や地域によって大きく異なります。利用者は、ご自身の責任において、医薬品の購入・使用に関する現地の最新情報を確認し、居住国の法律・規制を遵守する必要があります。 当社は、本記事の情報が利用者の居住国の法規に適合することを保証するものではありません。 
  • 効能・効果に関する情報について:本記事に含まれる可能性のある効能・効果に関する記述は、海外における一般的な情報や製品情報に基づくものであり、特定の製品の有効性や安全性を当社が保証または推奨するものではありません。また、これらの効能・効果は日本の薬機法において承認されたものではありません。自己判断での使用は避け、必ず専門家にご相談ください。 
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