タイ駐在者の健康管理:虫刺され予防に使える「SOFFELL Orange Peel Scented Insect Repellent」とは?
はじめに:虫刺されが思わぬ感染症につながる前に
海外赴任者の生活環境の整備は、企業の人事担当者にとって重要な業務の一つです。赴任者が新しい環境で円滑に業務を遂行し、充実した生活を送るためには、現地の文化、生活習慣、医療事情、教育環境など、多岐にわたる情報の収集と提供が不可欠です。特に、現地で入手可能な医薬品に関する情報は、赴任者の健康管理において重要な要素となります。
本シリーズでは、薬剤師監修のもと、海外の医薬品に関する情報を提供し、企業の人事担当者や赴任者本人が、現地での健康管理を適切に行うための参考情報をお届けします。
今回紹介する「SOFFELL Orange Peel Scented Insect Repellent」は、タイ国内で広く流通している虫よけスプレーの一つです。日本でも虫よけ対策は一般的ですが、タイ現地ではどのようなリスクがあり、どのような対策を取り得るかについて本記事ではご紹介します。
※本記事は一般情報の提供を目的としており、医療行為、服薬指導、医薬品推奨を行うものではありません。服用判断は必ず現地の薬剤師・医師へご相談ください。
タイの虫刺され事情
タイなどの熱帯地域に駐在する社員にとって、虫刺されは決して軽視できない健康リスクです。とくにタイに生息する蚊は、デング熱、チクングニア熱、日本脳炎などの感染症を媒介する存在として知られており、日常的な虫よけ対策が欠かせません。
現地では、薬局やスーパーで簡単に入手できる虫よけ製品がいくつも販売されており、赴任者が自ら選んで使用することが日常的です。赴任してある程度期間が経った赴任者に関しては、すでに周囲の同僚などから生活情報を入手している可能性が高いです。しかし、赴任前や赴任直後の赴任者に対しては、生活の立ち上げに必要な情報の一つとして虫よけ対策に関する情報を提供する意義は高いでしょう。

DEETとは?虫よけ成分の基本知識
DEET(ジエチルトルアミド)は、世界中で広く使われている虫よけ成分で、蚊やダニなどが人に近づくことを防ぐ働きをします。厚生労働省でも、感染症予防のための虫除け対策に有効な成分として推奨されています。
DEETの濃度が高いほど効果の持続時間が長い傾向がありますが、肌への刺激も出やすくなるため、利用者の年齢や用途に応じた製品選びが重要です。
タイの虫よけ製品は、デング熱の流行状況に対応する形で、比較的高濃度のDEETを配合しているケースもあります。タイ国内では、DEET配合濃度が50%の商品が販売されていたり、日本国内では、30%の商品が販売されていたり、他に高濃度の商品を入手することもできます。今回ご紹介する「SOFFELL」はDEET含有濃度が13%で、香りや肌への影響も考慮された設計がされています。
初めて使う人へ:肌に合うかの確認方法
虫よけ製品を初めて使用する際は、腕の内側など目立たない部分に少量を塗布し、30分〜1時間程度、かゆみや赤みなどが出ないかを確認してから、広範囲に使用するのが安心です。
とくに小さなお子さんや敏感肌の方は、顔や首まわりの使用を避け、衣服の上からの使用や屋外の必要最小限の範囲での活用を検討するのが望ましいでしょう。

タイで使える虫よけのひとつ
SOFFELLは処方箋なしで購入可能な薬(OTC: Over-the-Counter)として販売されています。ポンプ式のスプレータイプのほか、ローションタイプも販売されており、香りのバリエーションも豊富です。
特に「オレンジピールの香り」タイプは、柑橘系の香りが爽やかで使いやすく、外出前や屋外活動の前に肌に塗布することで、最大8時間程度の虫よけ効果が期待できます。
以下に、製品の詳細と注意点を表にまとめました:
製品概要(一般情報)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | 虫よけスプレー(処方箋不要) |
| 有効成分 | DEET 13%、香料、保湿成分 |
| 用法・用量 | 露出部に直接スプレーし、手で塗り広げる。 必要に応じて再塗布(持続時間約8時間) |
| 使用上の注意 | 顔には手に取って塗布、火気厳禁、傷口には使用不可 |
| 副作用 | 皮膚刺激、発疹(まれに) |
| 小児への使用 | 生後6ヶ月以上で使用可。2歳未満は1日1回まで。 顔・手への使用は最小限に |
| 保管方法 | 処方箋不要。Watsonsなどの大手ドラッグストアで購入可能。 |
人事担当者の皆さまへ ― 選択肢の情報提供が社員の安心を支える
熱帯地域への赴任においては、虫刺され対策を含む環境要因のリスクを対策することも健康支援の一環と考えられます。たとえば、安全衛生活動や赴任前研修の中で、現地で入手可能な虫よけ対策の一例として一般的な特徴や注意点を紹介しておくことで、社員が現地で対処しやすくなるかもしれません。
もちろん、企業として特定製品の使用を勧めることはできませんが、あくまで「選択肢の一つ」として知ってもらうことで、現地の医療機関にかかりにくい状況でのセルフケアをサポートすることにつながります。
参考文献
次回予告:各国の市販薬をご紹介予定
いかがでしたか? 海外での医薬品に関する情報は、赴任者の健康管理において重要な要素です。 次回は、インドで購入可能な整腸剤といった、よくあるお困りごとに使われる市販薬を取り上げます。
SaveExpatsは、企業の人事担当者様、そして海外赴任者とそのご家族をサポートするサービスを提供しております。 海外での健康管理や生活に関するご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※免責事項:
- 情報提供の目的と対象者:本記事は、マレーシアに在住または赴任されている日本人の方々への一般的な情報提供のみを目的として作成されています。
- 日本国内未承認の医薬品について:本記事で紹介されている医薬品は、特定の国・地域において承認・市販されているものですが、日本の医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく承認を得ておらず、日本国内では販売されておりません。 したがって、本記事はこれらの医薬品の日本国内での使用や個人輸入等を推奨、斡旋、または広告するものでは一切ありません。
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- 現地法規の遵守と確認:医薬品に関する規制、承認状況、入手可能性、製品の成分・名称・パッケージ等は、国や地域によって大きく異なります。利用者は、ご自身の責任において、医薬品の購入・使用に関する現地の最新情報を確認し、居住国の法律・規制を遵守する必要があります。 当社は、本記事の情報が利用者の居住国の法規に適合することを保証するものではありません。
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